当たり前にやっていた仕事、…それが少しずつおかしいと感じてきたあなた!
「ブラック企業」は会社内では常識で当たり前となり、仕事をする社員たちはその実態に気づかないこともあります。
本来の正常な会社では労働時間は守られていて、残業代もしっかり支払われています。
「不当な扱いを受けているのでは?」と感じたら、その会社をブラック企業ではないかと疑ってみてください。
この記事でわかること
- ブラック企業の判断基準となる特徴
- 入社前にブラック企業を見抜く方法
- ブラック企業にいた場合の対処方法
この記事の目次
ブラック企業の実態とは?【9つの特徴】
ブラック企業と呼ばれる会社は、労働基準法で定められている労働者の権利や自由を奪い、それらの風潮が会社内で常態化してしまっていることが多くあります。
そのためブラック企業に勤める社員たちは、その会社のやることが当たり前なんだと錯覚し、声を上げるどころかそれが異常なことにも気づかないままであるものです。
そんな中、何かのきっかけで会社に対して不信感を覚える瞬間があったとき、「この会社はブラック企業なんじゃないか?」と心配になるものです。
そんな時に判断する基準として使える『ブラック企業の9つの特徴』を紹介します。
これらに当てはまっていたら、あなたの会社はブラック企業である可能性が高いということになります。
特徴①|労働時間が長い
基本的に労働時間の上限は1日8時間、1週間40時間と労働基準法で定めれています。
会社がその時間を超えて働かせる場合には、あらかじめ労使協定(36協定)を労働基準監督署に届けている必要があります。
変形労働時間制など一部で例外はありますが、労働時間が長いのが当たり前になっている会社は危険です。
また、休憩時間にも基準はあり、6時間以上の労働では45分、8時間以上の労働では1時間が権利となります。
もし自由に使える休憩時間をあたえられていないのなら、それはあなたの権利を害されています。
>> 労働時間に休憩は含まれる?45分や60分のルールを労働基準法から解説
特徴②|休日が少ない
休日は少なくとも1週間に1日、または4週間で4日間以上をあたえられるものとなっています。
休日がなかったらそれはもう明らかなブラック企業ですが、もし休日に働いた分の給料(賃金)が割増になっていない場合、それは会社側の意図的な操作も考えられます。
確認や相談をしても応じてもらえなければ、それは危険な経営実態です。
特徴③|有給休暇が取れない
世間ではあまり浸透していない面もありますが、有給休暇も労働者の権利です。
有給休暇があたえられる日数は、労働日数や勤続年数などの条件がありさまざまです。
あなたの有給休暇が何日あるのかは、会社へ確認すれば教えてもらえるものです。
さらに、2019年4月1日から有給休暇の消化が義務化されています。
年間10日以上の有給休暇を有する労働者は、会社側が最低5日間の有給休暇の消化をさせなければならなくなっています。
使用者は、法定の年次有給休暇付与日数が10日以上の全ての労働者に対し、毎年5日、年次有給休暇を確実に取得させる必要があります。
引用元:厚生労働省
それでも有給休暇を取らせてもらえていなければ、かなり悪質なケースだと考えられます。
>> 有給休暇が取れない!消化が義務化になっても使えない?付与日数は?
特徴④|給料が低い
お給料はあなたのキャリアや能力に合わせて会社側が設定するものですが、明らかに仕事に対して見合っていない場合や、最低賃金よりも低いことも現実にあります。
最低賃金とは、会社が労働者に支払わなければならない給料の最低ラインを、時給換算にして都道府県ごとに明示しています。
最低賃金は毎年夏頃に改定されて変動します。最低限の知識として、労働者側も知っておく必要はあります。
給料で労働者を見下すような会社は、ブラック企業の要素は大きいでしょう。
▶厚生労働省が掲載する地域別最低賃金一覧
もし給料の未払いがあったら、それは末期かもしれません。すぐに行動すべきでしょう。
>> 給料の未払いはなぜ起こるのか?会社から支払われない原因と対処方法
特徴⑤|残業代が出ない
1日の労働時間を超えた残業は、残業代として労働者に支払われるものです。
時間外労働、深夜労働として計上されるものが多く、これらには割増賃金として通常の給料よりも単価は高くなるものです。
それが割増されずに支払われていたら会社へ訴えかけましょう。
さらに悪質なものとして「残業は認めないけど終わらない仕事量をあたえられる」というケース。
時間外でもやらなければいけない仕事を、タイムカードを押して帰社したことにして労働させる
会社ぐるみでやっている場合、これはブラック企業と言わざるを得ません。
>> 残業手当なし!法律的にはアウト?週40時間を超える強制労働の対処法
特徴⑥|離職率が高い
会社へ入社してもすぐに辞めてしまうなど、離職率が高い会社はそれなりの原因があります。
- 入社間もない人が辞めてしまうには入社前の説明と話が違っていたケース
- 数年勤めた人が辞めてしまうには会社の方針や待遇に不満を募らせるケース
社員が定着していない会社には何らかの悪い要素があるものです。
なかには正当な理由もなく不当解雇や退職勧奨で、会社の都合を一方的に押し付けるやり方もありブラック企業にあたります。
そこにあなたが巻き込まれないよう、周りの人に事情を聞いてみるなどして事前に対策をしましょう。
特徴⑦|雇用契約が不透明
ブラック企業には不透明な雇用契約が存在する場合があります。
まずはじめに、雇用契約書が無いことは違法ではありません。
ですが雇用契約書という形ではなくても、労働条件を明示することは会社の義務です。
つまりは労働条件を会社と労働者で共有するためには、雇用契約書の作成が適切かつ効率的なのです。
そういったことをうやむやに不透明にされている場合、ブラック企業である危険性が考えられます。
>> 雇用契約書がない会社は違法?口頭で大丈夫?起こるトラブルと対処法
特徴⑧|上司に意見できない構図
会社組織で上司が絶対的な権力を持っている会社は問題です。
パワハラやセクハラは横行し、不服に感じて意見しても権力を使って利益を得る構図もあります。
これは上司の人間性も疑いますが、一番は会社として事実を見過ごしていることが大問題です。
末端の社員・労働者まで快適に働けるような労働環境、それを整えようとしない、改善しない会社はブラック企業です。
>> 上司が無能だと部下が潰れる|8つの特徴と対処法で労働環境を改善へ
特徴⑨|退職を認めてもらえない
退職を申し出てもなかなか辞めさせてもらえない、それもブラック企業の特徴です。
労働環境が悪く離職率の高い会社では、出来るだけ社員が辞めないよう引き止めようとします。
それも待遇改善などの前向きな交渉ではなく、会社側が優位に立った状態で半ば脅しのような理由で、退職できないように持ち込むこともあります。
理不尽な誓約書を用意していたり、退職届を出すのは数ヶ月前だと言ったり、仕事のミスの損害賠償を求めたりと、さまざまな手法でブラック企業は襲いかかります。
あらかじめ契約期間が定められいたり、就業規則で定められていなければ、法的に退職届の提出は2週間前で問題ありません。
もし退職届が認められなければ、内容証明を送るか、退職代行サービスを利用するなどの手段もあります。
ブラック企業には我慢していないで、自分から行動して辞めましょう。
>> 退職理由は嘘でもいい!建前でも良い理由と会社に伝えるのに使える嘘
入社前に求人情報からブラック企業を見抜く方法
ブラック企業との出会いは、あなたの心も体も奪う恐れがあります。
就職・転職の際にブラック企業に入らないため、求人情報からブラック企業である可能性を見抜く方法を紹介します。
労働時間
ブラック企業が求人情報を出すときに、労働時間が長いことを正直に掲載することはありません。
「9:00~18:00」などと一般的な勤務時間を掲載し、業務内容や配属先によって異なるなどを理由に逃げ道をつくっています。
そこを見抜かなければなりませんが、その後の社会生活を左右することなので、遠慮なくいきましょう
労働時間を探る方法としては、企業によってはネットでその会社の元社員の方の声を聞くことが出来る可能性があります。
または、面接時に求人情報で掲載していた労働時間と内容と相違がないこと、残業はどれくらいあるのかなど、確認すべきところは惜しまず聞くことです。
>> 労働時間の上限って何時間?残業地獄の闇を守るのは労働基準法の規制
給料形態
仕事する上で重要な給料面ですが、“なあなあ”な状態で入社を決めてはいけません。
「研修期間」「固定給」「歩合給」など、その労働の範囲や時間などをしっかりと確認しましょう。
特に注意すべきは『残業代・休日出勤手当』です。
ブラック企業では割増になる手当を通常の単価で計上したり、残業と認めないケースもあります。
働く側にとって聞き慣れない“みなし残業”といった言葉などを使い、あなたを言いくるめようとすることもあるでしょう。
>> 残業代の計算方法|知ってると得する!?時間外手当を正しく受け取る
採用予定数が異常に多い
企業の規模によっても異なりますが、極端に多い数の採用を予定している企業は危険です。
つまりは離職者が多くて仕事が回らない状態であり、職場環境は決して良いとは言えないでしょう。
面接する際には、具体的な業務内容などを突っ込んで聞いてみてください。
・どんな人材がほしいか?
・どんな業務を任せたいか?
など核心を迫ることで効果はあります。
ブラック企業は、具体的なことはあまり考えずにとにかく人材を確保したい気持ちでいるはずです。
曖昧な回答や、信用に値しない説明であれば、その会社は避けるべきでしょう。
精神論が乱立
求人情報の募集要項で以下のようなコメントを目にしたことはありませんか?
求人情報の危険なコメント
- やる気があればOK
- 情熱のある会社です
- 根性のある人大歓迎
このように、やけに精神論を語るような企業をたまに見かけます。
もっと他にアピールすることが無いのか、会社として内容が薄っぺらいのか、とにかく信頼性にかけます。
実際にブラック企業でなかったとしても、「誰でもいいから来て」という印象では将来性も期待できません。
あなたの会社がブラック企業だった場合の対処方法
ブラック企業だと気づくのは突然のことが多いです。
あれ、もしかしてブラック企業?
退職を決めた同僚から嫌な噂を聞いた
一向に昇給がない・残業代が未払いだった
普通に会社で仕事をしていると、ある時ひとつのことをきっかけにボロが見えてくることがあります。
そんな時にはどんな行動を取ればいいのか?
あなたの状況によって行動は段階で別れます。あなたにとって無理のない方法を選択してください。
会社の環境改善を試みる
まだ改善の見込みがある場合や、あなたが環境改善できる立場にいる場合は、あなたのため、同じ社員のためにも環境改善を試みるのが一番です。
具体的には、上司や社長へ改善を求めて話をすることからはじめます。
それでも話が進展しないようならば、社員の労働組合で動いたり、労働基準監督署に相談するのも効果的です。
会社を辞める
一社員が会社の環境を変えるのは容易ではありません。
だったら被害が少ないうちに辞めてしまうのもいいでしょう。
むしろ「ブラック企業からは逃げるべき」です!
転職するのは勇気のいることですが、ブラック企業にいることはマイナスでしかありません。
退職を認めてもらえない場合でも、あなたの権利は法的に認められるので問題ありません。
直接話しをしたくなければ「退職代行サービス」を利用してみるのもおすすめです。
会社と争う
給料未払いや、ブラック企業の影響で体に異常をきたした場合、会社と争うことも可能です。
労働基準監督署に通報、相談して解決を臨みたいところですが、労基署の方は担当者によって対応がさまざまなようです。
実際に労基署が真剣に対応してくれないという声を聞いたこともあります。
ブラック企業で悩んで消耗した体力を、会社と戦うことでさらに消耗してしまう。
負のループに陥らないよう、場合によっては弁護士さんへ協力を求めることも検討しましょう。
あなたの会社の実態は?ブラック企業に負けるな
あなたの会社は「ブラック企業の特徴」に当てはまっていましたか?
一番はあなたの体調面、精神面を大切に考えて行動してください。
今後のためにもまずは最低限の知識をもっておくことも大事でしょう。
それらを次の転職、新しいチャレンジにぜひ活かしてください。
まだ不安な場合や効率的に転職先を探すには「転職サイト」を利用して模索するのをおすすめします。
転職のプロがきっとあなたの力になってくれます。
“辞める”と決断する前に!これが賢い選択
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