職場環境というのは、人によってさまざまです。
言いたいことをはっきり言える環境と、本心を隠しながら周囲に合わせている環境。
多くの会社の内部を見てきた筆者は、今の世間では後者のほうが多いように感じています。
それは退職の意思を伝えるときにでも同じで、本当の退職理由を言いづらく、どうしても嘘を言わなければならない空気感。
退職してしまえば会社はもう関係ないはずなのに、そんなときにも職場の悪しき環境はあらわれているものです。
この記事ではそんな「退職時に嘘の理由を伝えること」について解説します。
この記事でわかること
- 退職理由の説明義務はない
- 使える嘘の退職理由の例
- 嘘の退職理由を伝える注意点
この記事の目次
退職理由は嘘でも良い!本音を言えないワケ
会社を辞めるとき、転職をするときには、勤めている会社へ退職の意思を伝えなければなりません。
そんなとき、本当の退職する理由を伝えづらいケースがあります。
退職する本当の理由を会社へ伝えられないワケとは
会社へ伝えづらい退職理由
- ヘッドハンティングによる転職
- 転職先が今の会社の取引先
- 同業他社(ライバル社)への転職
- 独立して顧客を奪いたい
- 会社への不満があっての退職
- そもそも詮索されるのが嫌だ
会社に対する不満があったり、退職後の立場を確保するためであったり、幅広い理由が考えられる。
会社側の感情としては?
退職される会社側としては具体的な理由を聞き出したい。
それには理由があり、退職を受け入れるのか、または話をして引き止めるのか、退職したい理由によっては、待遇面などを考慮して会社に残ってもらう交渉を行おうとするものです。
会社というのは人材の確保・教育には大きな手間や費用がかかるため、離職する人はできるだけ少なくしたいものなのです。
あなたがもし、給料や勤務形態に不満があり、「改善されたら退職はせずに会社に残りたい」という気持ちがあるのなら、退職の理由は本音を伝えて交渉するのも一つの手段です。
退職理由が嘘(建前)でもいい理由
退職の意思を伝える際に、会社への建前として嘘を伝えることはよくあります。
会社へ対する信頼度や、お世話になった気持ちが強ければ、嘘を言わずに本当の理由を理解してもらうことが、理想の円満退社への道だと思います。
しかし、現実はさまざまな事情があり退職へと向かうため、本音を言えないケースが多くなるのでしょう。
法律では退職理由の説明義務はない
退職理由を建前として“嘘”を伝えるのはいいことなのか?
そもそも、退職する時に『会社側へ理由を説明する義務はありません』
(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)
第六百二十七条
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。引用元:民法第六百二十七条
要は「一身上の都合」で全く問題ないということです。
しかし、出来ることなら円満に退職したいところ、そんなときに“建前”として嘘を使うことも必要です。
それでもどうしても
・辞めさせてもらえない
・しつこく理由を聞かれる
・話し合いでは解決しない
というときには、専門家や退職代行サービスなどへ相談しましょう。
法律上は、退職の申し出をした2週間後に雇用契約は終了することになり、会社へ退職理由の説明義務はありません。
退職時に使える「嘘の理由」の例
本当のことを言いづらい場合、「一身上の都合」だけで問題ないのですが、それだと角が立つし、もっともらしい理由で退職を会社へ伝えたい。
そんなとき使える「噓の理由」を参考までに紹介します。
もっともらしい嘘の退職理由
- 家庭の事情(介護や家業など)
- 体調不良で業務に支障
- 引越しや田舎へ帰るなど
- 他にやりたい仕事がある
- キャリアアップを目指したい
あなたが使いやすい理由があれば、言い回しに気をつけて退職の意志を伝えるのにご利用下さい。
退職の理由で嘘を伝えるときの注意点
前述で紹介した「もっともらしい嘘の退職理由」ですが、使いやすいがゆえに嘘を見抜かれやすい場合があるので注意してください。
退職後の行動や転職先などの情報が知られる可能性があったり、SNSで近況が筒抜けになってしまう恐れがある場合、退職理由として伝えた嘘がバレてしまうので注意は必要です。
「退職してしまえば関係ない」と思えるならいいのですが、その後も関係性がゼロではない場合には、バレてしまうことのない嘘の理由を選択しましょう。
環境次第では退職理由は正直に伝えよう
退職の理由として、会社の不満でも、改善してほしい点でも、正直に本音を伝えられる環境なのであれば、すべて包み隠さずに伝えましょう。
これは会社側の受け取り方にもよるのですが、環境の良い会社では“改善点”が明らかになればうれしいものです。
その理由は、同じ不満を持って退職しようとする者を回避する対策ができるから。
しかし、それをも素直に受け入れないような環境の会社では、本音を伝えてもあなたに損しかありません。
そんなときは「一身上の都合」で退職して、前を向いて次へと進むだけでいいでしょう。
円満退社するには伝え方が大事
誰だって退職のことで揉めたいとは思っていないはず。
出来ることなら「円満退社」をしたいと思うでしょう。
そんなときは退職の理由よりも『伝え方』が大事になってきます。
上司や経営者も“感情のある人間”です。理由が何であれ、丁寧に感情を込めて伝えるようにしましょう。
円満退社のために
✔ 感謝や敬意を忘れない
✔ 退職希望日の2~3ヶ月に伝える
✔ 就業規則を確認して従う
あなたが退職するには業務の引き継ぎが必要になります。会社側が無理なく引き継ぎ業務を行えるよう、期間には余裕を持って退職の意志を伝えましょう。
また、労働基準法とは別に、会社で定める就業規則を確認しておきましょう。
それには退職を伝える期日や、退職に至る流れが決められている場合があります。
不要なトラブルを避けるためにも、感謝や敬意を持って退職のやり取りをしましょう。
退職でトラブルになりそうだったら
退職の意思を伝えると、何らかのトラブルに発展することがあります。
退職で起こるトラブル
退職を認めてくれない
退職期日を先延ばしにされる
何らかの損害賠償を請求される
有給休暇を消化させてくれない
トラブルは環境によってさまざまですが、退職理由で嘘を言わなければならないあなたは、決して環境のいい職場にはいないでしょう。
そんなときに力になってくれるのが『退職代行サービス』です。
あなたに代わって退職の意思を会社へ伝えてくれ、必要な手続きも進めてくれるケースもあります。
費用もおおよそ3〜5万円程度と、精神的苦痛を受け続けることを考えたらとても良心的です。
「もうダメだ…」と思ったら、退職代行サービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか?